ProMetric® I-SC ソリューション

2つの測定システムを1つに

ProMetric I-SCソリューションは、ディスプレイ、照明部品、光源などの発光デバイスの外観を評価するために、分光データ、輝度（cd^/m2）、色度（CIE xyおよびu'v'）を測定するための単一のプラットフォームを提供します。ProMetric I-SCソリューションは、偏光不感性ミラーを使用して、強化された三刺激イメージング色彩計（Radiant社製ProMetric Iシリーズ）とハイエンド分光放射計（Instrument Systems GmbH製CAS 140D）の機能を統合しています。この革新的なデザインは、Radiant Vision Systemsが開発した特許技術（米国特許第8482652号）に基づいています。ProMetric I-SCは、2つのシステムを1つのソリューションに統合することで、メーカーは簡単かつ効率的に光と色の測定機能をトータルに展開することができるようになりました。

ProMetric I イメージング色彩輝度計の利点

ProMetric I-SCソリューションは、RadiantのProMetric Iイメージング色彩輝度計の長所を生かした光と色の測定が可能です。ProMetric Iシステムは、計測アプリケーション向けに最先端のイメージング性能を提供し、研究開発から生産までのスピードと精度の要求に応えるために製造検査用に設計されています。ProMetric I61（61メガピクセル）イメージング色彩計は、デバイス全体を1枚の画像に収め、すべての関心領域を、ディスプレイのサブピクセルほどの領域まで、迅速かつ正確に測定します。ProMetric Iに内蔵された三刺激カラーフィルターホイールは、CIEカラーマッチング関数に近いシステム応答を提供し、システムの各色チャンネルは、各CIE応答曲線にほぼ完璧に整列しています。これにより、機器が校正時点から若干の色ずれを起こした場合でもシステム精度を維持することができ、システム校正の有効期間を延長することができます。ProMetric Iは測定スピードも最適化しており、1回のフルカラー測定で2秒以内に、1データポイントあたり最高の精度で最大量のデータを取得することができます。

ProMetric I イメージング輝度計の各色チャンネルに対する生来のスペクトル応答（点線）と標準的なCIEカラーマッチング関数（実線）の比較の図解。

ProMetric I-SCソリューションは、ProMetric Iシリーズイメージング測色計の光学構成を活用し、独自のコンテキストでのスペクトル測定や空間測定を可能にすることもできます。例えば、ProMetric I-SCをRadiantのAR/VRレンズと組み合わせることで、拡張現実や仮想現実のヘッドセット内のニアアイポジションで測定データを取得することができます。このカスタマイズ可能な構成により、視野角全域の空間輝度、色度、欠陥の評価が可能になるだけでなく、分光測定ポイントをヘッドセット内に配置し、高精度なスペクトルデータを取得することができます。

高精度なスペクトルデータ

ProMetric I-SCソリューションでは、イメージング色彩輝度計で被検査デバイスの画像を取り込み、デバイスの中心点から光ファイバーケーブルを通して分光計に光を当てることで、スペクトルデータを取得することができます。分光計は、光ビームの個々の波長（380-780nm）を評価し、高精度のスペクトル測定を提供します。このデータを使って、以下のことが判断できます：

• 相関色温度(CCT)
• 演色評価数(CRI)
• スペクトル分布
• スペクトル帯域幅（すなわち、全幅半値（FWHM）において）。
• ピーク波長
• ドミナント波長

スペクトル値は、色彩輝度計が撮影した測定画像内の中心点から測定されます。画像内では、スペクトル測定の正確な座標を知ることができ、この点を被測定デバイスに対して極めて正確に位置決めするために適用することができる。スペクトル測定点の空間的位置は、例えばAR/VRヘッドセット内での測定用に、x,y座標および角度の度数で出力されます。また、接続された分光器の測定点と視野角は、ソフトウェアで測定画像上にグラフィック要素（円または長方形）として表示され、文脈に沿った視覚化を素早く行うことができます。

スペクトルデータは、デバイス出力の特性評価、発光スペクトルの変化の検知、定義された公差に対するデバイスの評価に使用することができます。また、スペクトルデータは、保存、エクスポート、または新しいデバイスやデバイスの状態（異なる色のディスプレイやバックライト部品など）に対して、CIEカラーマッチング関数に従って接続された画像測色器の応答を校正するための参照として使用することができます。

ソフトウェア上の測定画像の中央に円形で表示される、指定したx,y測定点に位置する統合分光計の視野角。

機能と実用性を最大化するための設計

分光器は相関色温度（CCT）、演色評価数（CRI）などの高精度な値を提供し、イメージングシステムは画像上のすべてのポイントについて正確な輝度（cd^/m2）、色度（CIE xyまたはu'v'）、目視検査が可能です。イメージングシステムと分光器を別々に使用する場合、メーカーは両方のシステムを調達・購入しなければならず、一度に1つのシステムしか測定に使用できないため、複数のステーションや工程が必要になる。このような場合、手作業によるセットアップやデータ転送は、大きなダウンタイムを引き起こし、どの段階でもエラーを引き起こす可能性があります。

ProMetric I-SCにより、Radiantは1つのソリューションで両システムの機能の利点を提供し、複数のシステムを購入したり、別々のプラットフォームを学習する負担をなくすことができます。また、直接統合することで、手動で操作することなくシステム機能を利用することができます。光源上の全く同じ場所でスペクトルデータと空間データを測定し、出力を検知して、装置を動かすことなく、直接カラーキャリブレーションを適用することができます。

ProMetric I-SCのシステム機能を組み合わせることで、ソリューション全体の能力も最大化されます。測定画像のコンテキストを通じて、ユーザーは分光器のスペクトル測定ポイントの正確な位置を定義し、表示することができます（イメージングシステムと分離した分光器を使用する場合は不可能です）。また、色彩輝度計の光学系を利用するため、イメージャーが見える範囲であれば、同じ相対位置・角度で分光データを取得することが可能です。

直感的なソフトウェアインターフェイスとデータの可視化

ProMetric I-SCソリューションは、RadiantのTrueTest™ソフトウェアおよびアプリケーション固有のソフトウェアモジュールと連携し、自動外観検査、測定、機器制御、および通信を行います。TrueTestは、Radiantの包括的なディスプレイ測定機能を提供し、関連するすべてのディスプレイ特性を数秒で迅速に自動評価するためのテストをシーケンス化する機能を備えています。TrueTestから、ユーザーはProMetric I-SCの校正を開始し、校正操作を自動的に実行するように設定することができます。TrueTestのインターフェースには、接続された分光器によって取り込まれたスペクトルデータを可視化し、データポイントを比較または出力するための独自のビューがあります。

TrueTest ソフトウェアのスペクトルデータウィンドウには、ProMetric I-SC Solution の内蔵分光器によって取り込まれたデータの CIE 1931 色度座標とスペクトルプロットが表示されます。上の画像は、白色有機ELディスプレイの中心で測定されたスペクトルデータをプロットしたものです。

ProMetric I-SC Solutionの主な特長とハイライト：

• 高速かつ正確な色度測定を実現するイメージング測色計/分光計の組み合わせ
• スペクトル測定機能、データの可視化、出力機能
• CIEに準拠したカラーフィルターにより、人間の視覚的知覚に正確に相関する輝度と色度値を測定。
• ソフトウェアのユーザー定義設定に基づくオンデマンドまたは自動校正が可能
• 高速測定と通信により、製造の要求をサポート
• 強化されたProMetricI61イメージング色彩輝度計（61メガピクセル解像度）と統合されています。
• RadiantのAR/VR Lensと互換性があり、インヘッドセットキャリブレーションと測定が可能です。
• TrueTestソフトウェアパッケージとのシームレスな操作性
• スペクトルおよび比色測定データの可視化、適用、エクスポートのための使いやすいインターフェース